新しく入った社員で、成長したい、という意欲的な人がいるので、
うちの会社でも初めて研修をすることにした。
で、じゃあ、どんな研修をしたらいいんだろうと考えている。
講師は僕だ。
そもそも僕は、社会人人生の大半を海外の企業で過ごしたので、
いわゆるみんな集まって強制参加の研修は、一般の大企業とかに勤める人に比べたら、少なかった。
それは僕にとって、めちゃめちゃ嬉しいことだった。
興味の無い研修なんかに団体で参加させられても眠いだけ。時間の無駄。
自分は自分で学ぶことができるし、学びたいことは沢山あったから、
時間をむやみに奪う、研修というものが大嫌いだった。
思えば学校の授業も嫌いで、ほとんど独学だった。
団体の授業のスピードは速すぎるか、おそすぎる。どちらでも辛い。
だからたいてい授業中は即寝落ちしていた。
研修は自分で勉強できて、わからないことを人に聞けるヤツには無用である。
今流行りの授業をしない武田塾の実情はよく知らないけど、
多分、勉強の仕方を教える塾なんだと勝手に解釈している。
そういうものが、地味に一番役に立つ。
さて、そうは言っても、
福利厚生の一貫みたいな感じで、この会社の社員だからこそ得られる学び、は提供してあげたいと思う。
僕が受けた研修
自分は今までの人生でどんな研修を受けて来たっけ?
ちょっと振り返ってみる。
意味なかった研修
・新入社員研修
僕が受けたのは会社の歴史とか、各部署が何やってるかとか、そういうやつだった。
眠かった。
・GE Digital APM 研修
特定の専門知識を身につけるために受ける研修もある。これもその一つ。
GEの本拠地、アトランタまで行って1週間かけて受けた。
ひたすら退屈なツールの使い方を学ぶ退屈な研修であった。
しかし、講師はそのくそつまんないツールの使い方を教えることが最高に楽しく、素晴らしく、至福の喜びかのように振る舞う、研修のプロフェッショナルだった。
典型的なテンションの高いアメリカ人おっさんという感じ。
そのプロフェッショナルさにだけはものすごく感銘を受けて帰ってきた。
だから、講師のことはリスペクトしている。
・GE Change Acceleration Process 研修
今は地に堕ちてしまったGEだけど、企業研修への力の入れ方は、知る人ぞ知る定評がある。アメリカのどこかの田舎、クロトンビルというところに研修センターがあって、そこで研修を受けることは一種のステータスですらあるのだ。
そんなクロトンビルでの研修は外販されていて、外部企業もお金を払えば講師を招くことができる。
僕のいた会社では、そのGE研修を、全世界に駐在して散らばる次世代幹部候補の若手が一同に集まって受けることができる機会があった。
懐かしい先輩たちに会えて、夢のように楽しい研修だった。
ただ、結構最近めに受けた研修なのに中身はほとんど覚えてない。
・ロジカルシンキング研修
論理的に物事を決めていくための、いろんな考え方やツールは学んだはずなのだけど、
ほぼ覚えていないし、今も使っていない。
・問題解決力養成研修
社会人3年目くらいになって、仕事をそこそこできるようになった頃に、全体で受けた研修。集まって楽しかった思い出しか無い。
まあ役に立った研修
・コンプライアンス研修、情報セキュリティ研修
正直、まじで面倒だと思うこういう研修。僕の過去いた会社ではインターネットでの受講が義務付けられていた。
こういう社内制度を振り返るものは退屈だ。でも、自分のペースでできるならまだ許せる。
会社で、ルールを振り返る機会なんてめったに無い。でも頭に入れて置かなければならないものもある。
この手の必須の知識を強制的に復習させる研修は、つまんないことはわかりきっているけど、大切だと経営側になって改めて思う。
・ビジネスマナー基礎研修
名刺の渡し方、喋り方、電話の出方、エレベータの立ち位置、タクシーの乗車位置、
とかそういうの。
これは正直、必要だと思う。何を社会人の人たちは正しいと感じるのか。
スムーズにビジネスを遂行するにはどこかで学んでおいて損はない。というかこれを学んでおかないと損をすることがある。
もちろん、常識を知ったうえで、一蹴したければすればいい。
でも、自分が何を一蹴したのかを知っておくことは大切である。
ま、田舎じゃ別にどうでもいいんだけどね。
・エクセル研修
ワード、エクセル、パワポ。ビジネスパーソン3種の神器の中でも、エクセルは使用頻度が高い。まじで高い。
エクセルが使えないと、仕事ができないといっても過言ではない。
エクセルが使えると解決できる課題は多い。
エクセルでこんなことや、あんなことができるんだよー。
それを知るだけでも結構価値がある。今でも価値がある。
・部の発足研修
新しい部署ができることになって、そのメンバーで集まって合宿をしたことがあった。
研修の内容は何でもよくて、各メンバーのことをお互い知ることができて距離が縮まったことに意味があったと思う。
そういう研修があってもよい。
・OJT研修
後輩を持ち、自分がインストラクターとなった時に研修を受けた。
どうやって、後輩を導いていくべきかのスキルや心構えを学ぶ研修。
2年目くらいの若手の時に受けたので、あんまりその当時は人を指導することの意味や、価値がわかっていなかった。でも、これは結構大事で、誰でも受ける価値があるトレーニングであると思う。
・投資意思決定研修
投資する時の考え方、判断の仕方について学ぶ研修。ようは、ファイナンスの研修でああった。この考え方は経営者に必須の知識だと思う。まず、自分自身が投資の意思決定をする際の判断に使うことができる。それよりも更に、資金の出し手、投資家や銀行を動かす時に必須の説得材料になる。
人生に影響を与えた研修
・米国財務諸表の読み方研修
USCPAを取らせる研修で有名なアビタスが来てくれて教えてくれた。
投資、経営に数字は必須。というか、それ以外の部分は、個別具体的な問題なので、一般化できない。
数字だけが事業や企業を並べて評価できる絶対的な指標である。
財務会計によって得られた力は大きかった。
で、タケノさんは一流のテカテカした講師だった。
タケノさんの講義を受けたくて、個人的にアビタスに入って、結局USCPAをまで取ってしまった過去がある。
そのために、僕は1000時間くらいの自分の時間と、50万円くらいの受講料を支払った。
ある意味、一番人生に影響を与えた講義だった。
今となっては米国会計とかどうでもいいが。会計の考え方はめちゃくちゃ役に立っている。
・アントレプレナーシップ研修
これを研修といっていいのか、大学のゼミだった。当時現役でネクステック社長だった山田太郎さんが講師だった。
起業について。ロジカルシンキングについて。ビジネスについて。
ビジネス界のいろんな生の話を聞かせてくれて強烈に僕の人生に影響を与えた。
いくつかの会社を訪問させてもらい、トップの話を直に聞けたことも強く記憶に残っている。
当時最年少上場社長が率いるベンチャー企業。
非上場の大手自動車部品メーカー。
などに行った。
山田さんの言葉で記憶に残っていることがある。
「年収2千万円以上稼いだら一流だな。」
このゼミは人気だったので、受講できたのはラッキーだった。
僕が人生の選択をする際、山田太郎さんはちょいちょい頭のなかに登場する。
そのくらい影響された。
専門知識を学ぶための研修は、その道のプロフェッショナルを目指すのならば、価値があるだろう。ただ、万人に受けさせたらそれは間違いだろう。
研修は、受ける側のニーズにマッチしたものでなければ成功しない。
うん。研修で、重要なのはそれだけだな。
友人に話をするときと同じ。その人が興味のある話題であれば、それは価値がある。
知らないけど、知りたい。
興味がある世界を教えてくれる研修はさらに面白い。
社員にアントレプレナーシップ研修をすることは自殺行為なのでw
難しいけど、
書いてて少しアイデアが固まってきた。
やるべき研修の要素としては
・みんあが集まって楽しいもの(なんならゲームしたり自己紹介するだけでもいい)
・新しい視点を得られるもの
・会計や投資のような事業経営について学べるもの
・で、実務に使えるツールをちょっとだけ持ち帰れるもの。
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