ミニマリストもどき

自分のこと

生まれた時、僕は何も持っていなかった。

そこから少しずつモノが増えていった。

小学校の頃は漫画。

中学校の時はゲーム。

高校の時は服。

大学生になった時にはモノで溢れかえっていた。

何をそんなに持っていたのか今では思い出せない。

僕は、今の会社の社長と2人で共同生活をしていた。

部屋の広さは60平米を超えていて、

入居したての時はミニサッカーができるくらい広い1LDKのマンションだった。

そのマンションの広い1室はすぐモノでいっぱいの倉庫になった。

その時が所有物のピーク。僕の持ち物ではなかったかもしれないが。。

そこから、処分したり、実家に置いたりして僕はバックパッカーになった。

リュック1つで生きていけるようになり、モノがほぼゼロになった。

会社の寮に入る時も荷物はわずかだった。

長かった香港での海外生活。

僕は3回引っ越しをしたけど、一度も引越し業者に頼む必要はなかった。

何回か新居と旧居を往復して運べば、自分で引っ越しすることができた。

海外生活をやめて山梨に帰ってきた時、僕の荷物は段ボール5箱くらいだった。

僕は他の人に比べたら、あまりものを所有していないと思う。


山梨生活の中でも所有するモノは減り続けている。

基本的に新しいものをほとんど買っていないから。

必然的に古いものが消費され、捨てられていく。

流入 < 流出 

当然、モノは減る。


意識的に整理もした。

まず、絶対に取っておかねばならない契約書みたいな書類以外は、

全部データ化して捨てた。

必要な書類はバック2個くらいになった。

まだ多いけど、仕事している関係で保存義務があったりするので、仕方ない。


新品のモノは、売るか、あげるかして処分した。


本もたいてい古本屋に行って売りさばいた。まとめて売ればそこそこのお金になった。


僕の所有物で一番多いものは服だった。

ダサさがアイデンティティと周りに思われている僕。

時代遅れのダサい服が大量にある。

服は、自然に消耗して使えなくなる、ということが無い。

どっちかというとデザイン的に死ぬ方が早い。

機能として体温調節をし、人体を守るのには十分なのに、捨てる必要があろうか。

そのタイミングがよくわからなくて残る。


こんまり見ろよ。


読んだし、観た。

しかし、こんまりには効果がなかった。



そんな僕が大切にしている人生の教えがある。

中学校の時の理科の先生がニヤニヤ顔で語った話。

僕はその人の理科の授業なんか何にも思い出せない。

授業中はたいてい寝ていた。

でもこの話の時だけは、なぜかムックリ起き上がり、

話に耳を傾けたのだ。

そして、それは僕にとって大変貴重な教えだった。



「旅行に行くときは要らない服を持っていく。
そして、旅先で着たら、旅館に捨ててきてしまう。
そうすると、帰ってくる時身軽になるし、その分、お土産も買えるのさ。ニヤリ」

宿泊施設からしたら良い迷惑。


僕は、この教えをしっかりと引き継ぎ、守って生きている。

多分、後世にも語り継ぐだろう。

「焼き肉は良いタレ買っとけば、肉はどーでもいい」理論と共に。

旅行先で着て捨てることで、

最後にその服は、僕を身軽にするという特別な活躍ができる。

旅行の時の服は写真に撮られるので、遺影もバッチリ。

唯一のデメリットは、まさにダサい服なので本来は旅行で着るべきでないし、
そんな格好で、写真に撮られるべきではない、ということ。

普通の人は、旅行の時、ちょっとオシャレして出かける。



この秘技、究極の教えのおかげで、僕の服はだんだんと減った。

最近は、ちょっと心配になるくらい服が減った。



諸々処分してしまって、かなり身軽に磨きのかかった僕だけど、

ぱっと見、ミニマリストにはまだ見えない。

その境地にまで捨てきる覚悟がない。

今は、必ず使うものか、思い出のものしか保有していない。

のに、なぜか。

1年に1回か2年に1回しか使わない、けど必ず使うから取っといてあるモノ。

これが結構あるのだ。

例えば、スノボの道具、みたいなもの。

こういうものを捨ててしまって、1ヶ月に1回は使うものだけ持つようにすれば、
僕はミニマリストになれる。

でも、一歩手前でいつも止まってしまう。

これ以上、処分してしまうのは、

土地が余ってて保管費用のかからない田舎では損だし、

また買ったり借りたりする手間も増えるので面倒だから。。。



ここから先は真に、ミニマリストでも趣味と意地、我慢の領域ではなかろうか。

本当はそっちの方がカッコいい。

おしゃれは我慢から、と思うのだけど、そこまでいけない。

だから僕はミニマリストもどき。






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