持続化給付金について

昨年実施された持続化給付金を受給するには、以下の要件を満たす必要があった。

1.出資が10億円以下、従業員2000人以下。

  これは大抵の会社が満たしている条件と思う。

2.2019年以前から事業収入を得ており、今後も継続する意思があること。

  急に事業を始めて受け取る、みたいなことはできなかった。

3.前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること。

  収入の50%以上の減少というのはかなり深刻な影響で、キャッシュを持たない会社だと一気に資金がショートしてしまいかねない。こんな状況はできれば起きてほしくないけど、コロナ禍が始まった頃は実際に起きた。ある日突然、旅行客が消滅したもんだから自社も対応のしようがなかった。あの頃は本当に先行きが不透明で、毎日キャッシュがどんどん消えていくから、会社を維持できるのか、資金ショートを回避できるのか不安だった。

中小法人の支給額上限は200万円で、これを一律に支払うのは相当大きな政策だった。大盤振る舞い。旅行業、飲食業を営んでいるところは申請すれば多分ほとんどが満額もらえたはず。

ただ、後から話を聞くと、個人事業者の飲食店などはもらっていないところもあった。

そもそも、もらえることに気づくのが遅かった。

気づいても申請の方法がわからなかった。

自分が該当するとは思っていなかった。

など、呆れる話を聞いた。

ほとんど何もしなくてももらえたお金なのに。

100万円の純利を稼ぐために個人事業者はいったい何日働けばいいのだろう?

店を開けてボーッとしてる暇があったら、いくらでもやり方があったのに。

事業の納税申告もまともにしていなかったから、売上報告をすることが憚られたのかもしれない。

単純に、いつも料理や酒を作って出すだけしかしていないと、こうした事務能力が全く身につかなくて対応できなかったのかもしれない。

世の中にはまともに書類を読んで理解し、書類を作成する能力の無い人が多くいることがわかった。

手に職がついていれば、それでも良いんだと思う。

でも、変化の時代において、その変化が目の前に訪れた時、

何も行動できずに、ただ呆然と時が過ぎるを待つ人達に明るい未来があるとは思えない。

もう年だから無理とか言い訳は通用しない。

確かに年を取ると学習能力も低下するので、変化には対応しにくくなる。

それでも変わろうとしないと、取り残されてしまう。

取り残されても楽しく生きていければそれでいいのだけど。

事業に失敗したり、破産した言い訳を外部の責任にして嘆くのはあまりにみじめだし、ダサすぎる。

コロナ禍による経済の低迷はたしかにひどく、急激だった。

その影響は偏っていた。

リアル世界が没落し、デジタル世界が興隆した一年だった。

あまりにも急激な変化が訪れた時は、政府は必死で色んな策を打ち国民を守ろうとしてくれるのだな、と感心した。この安心感は事業をする上で、とても大きい。

ただ、政府への信頼が増すと同時に、不信も生じた。

政府の補助は最大限に受けることができたけど、国民を助けるためにお金を使いすぎなのではとも思う。後先考えずに重ねた借金によって近い将来、日本円の価値と日本自体がが揺らぐ時が来てしまうのではないか。

同じことを考える人たちは世界中にいて、ビットコインは高騰した。

大盤振る舞いの経済支援策によって世界中金余りとなり、株式市場は実態とかけ離れて高騰した。

ここから新しい勝者と敗者が生まれてくる。

リアル世界のアナログビジネスをしていた企業が没落して消え、職を失う人が出てくる一方で、デジタル世界はどんどん発展していき、そこに携わる人達は豊かになっていく。

一律200万円のバラマキは有り難かったけど、もう二度とはやってもらえないだろうと思う。制度設計がシンプルすぎる。もっと困っている人に重点的に支払われるべきだし、200万円一律というのはそれもそれで不公平。中小法人の中でも大きめの会社は200万円なんて雀の涙な一方で、社員が一人、二人の極小会社にとっては大金である。

コロナ禍の自粛や緊急事態などが政府によって作られたものであることを考えると、政府がとった行動の全ては、大企業にとって非常に厳しく、小企業や個人にとってはとても有り難い、そしてサラリーマンにとっては暇になって嬉しい人為的経済危機だった。

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