ちょっと前まで日本人男子は仕事のために生きていた。
仕事が何よりも第一優先で、家庭のことは二の次が当然だった。
ワークライフバランスという言葉はすでに定着した。
働き方の改革は着実に進んでおり、
仕事第一優先の生き方は古い考えになりつつある。
田舎ではまだまだ人権無視の長時間労働が蔓延ってはいる。
それでもテレビでは都会の様子が放送されているわけで、
田舎とはいえ変化の波に逆らうことはできない。
着実に人は労働から解放され、自由になりつつある。
自分の人生を生きる余裕が生まれつつある。
ここにきてプライベートとの折り合いをどうつけるか、という問題が生まれる。
今まではシンプルだった。
仕事かプライベートか、という二者択一では仕事。答えが決まっていた。
僕もそうやって生きてきた。
仕事が入ったら問答無用で仕事。
プライベートの旅行先から仕事場に行けと言われ、自腹で航空券を買ったこともある。
その時は、やっぱり必要無くなったから行かなくていいと言われ、支払済の券を捨てた。
急遽、出張に同行しろと言われ、ずっと前から予約していたクルーズ旅行を捨てたこともある。
プライベートの予約にまつわる支出が無駄になっても、それは自分の先見性の無さと、給与に含まれる義務の内と当然のように諦めてきた。
夏休みに海外旅行へ行くときは、予定通り出発できるか前日退社するまでハラハラしていたし、いつも予約する時は、最悪の場合、航空券を捨てる覚悟だった。
話は逸れるが、会社から行くなと言われたので、宿泊を当日キャンセルする。
しかし、納得がいかないのでキャンセル料を払いたくない。
と言ってきた女性客がいた。
会社と、ホテルは無関係で、キャンセル料が発生する条件の元予約したのは女性なのだから、当然、女性は自分の行動に責任を持ち、キャンセル料を払うべきである。
自分の意思決定に対する責任を放棄して、会社の責とする自立心の無さに愕然とした。
結局、その女性はキャンセル料を払ってくれなかった。
今思えば、会社名を聞いて、会社に電話をかければ面白かった。
社員のプライベートはできるだけ尊重してあげたい。
やりたいことができるようにスケジュール調整して、
できるようにしてあげたいと思う。
でも、子育てを絶対優先事項として常に仕事より先に持ち出されるのは悩ましい。
子育ては確かに大変だし、国に貢献する素晴らしいことだと思う。
しかし、僕に言わせれば子育ても趣味のひとつ。他の趣味との優劣はない。
子育てしているから偉いわけではないし、
子育てしているからいつでも優先されるなら、
独身者が常に不利益を被ることになる。
子育てが理由であれば休みや、出退勤時間の融通が効いて、
独身者が友達と旅行へ行く趣味は優先順位が低くて犠牲になる、というのはおかしい。
両方とも平等に尊重されるべきはずである。
子育てで仕事の時間が取れないなら、
仕事と被っている間は人を雇うなりして対応すべきだし、
それができないなら、仕事をする資格がないと思う。
この辺りは白黒つけられる問題ではなく、
都度バランス調整しなければならないので、
悩ましい。
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