レストランに勤務して、僕が料理をしなければならない場面もあった。
そこで、厨房に立って学んだあれこれ。
1.仕込みっていうのが何かわかった
仕込みって多分、料理をしない人にはイマイチぴんと来ないと思う。仕込みって何?
ソースを作ること、食材の下ごしらえをすること、野菜を切ること。
いざ、本番になったときに短時間でスムーズに仕上げられるように準備スべきあれこれ全てが仕込みなのだと、今ではわかる。
2.厨房は常にキレイにしていないと始まらない
キッチンに立つ経験が浅い人は、使った端から汚していく。汚していくと使えるスペースが減る。料理が汚れることもある。使いたい器具が使えなくなる。結果的に、時間がかかるし、美しく調理できなくなる。衛生面でも問題が出かねない。
始めは余裕が無くて、シェフがなんで口酸っぱくキレイにしろキレイにしろと言うのか煩わしかった。
今ならわかる。限られたスペースの厨房。常にキレイでないと仕事ができない。
3.レシピを考えるのが本領
本当のシェフの仕事は、
料理を考えること。
レシピに落とし込むこと。
食材の調達先を決めること。
調理方法を決めること。
キレイな盛り付けを考えること。
このレシピができてしまえば、8割は完成したようなもの。
ここまでするのが、シェフの仕事と言ってもいい。
残り2割の詰めが重要とも言えるけど、、、。
そこまで出来ると、後はプロフェッショナルじゃなくても練習すれば料理を出せるようになる。
調理して、盛り付けて、出す。
これをシェフは「ガストの店員」と呼んだ。
決められた手順を正確にコピペする能力があれば誰でも出来る。
世の中の大半の料理人は「ガストの店員」かもしれない。僕もその一人。
シェフになって料理を真に創造するには相当の情熱と努力が必要。
4.最高のタイミングで料理を出すことの素晴らしさ
できたてで最高の状態の料理を出す。
当たり前のことに思えるけど、実は結構難しい。
例えば、何十人という団体客が来た時。一度に完璧な状態の料理を、全員に完璧なタイミングで出すことは、特別な厨房機器なしにはまず不可能。
大型旅館でよく見る卓上コンロは、それ自体が楽しいからそこにあるわけではない。
温かいおかずを一人ひとりに出すことが不可能だから苦肉の策としてそこにある側面もある。
注文を受けてから料理を出すまでの時間もとても重要。
20分も30分も待たされるとお客様は怒り出してしまう。
一般的にイライラせずに待てる通常の期待時間は15分以内。
どんなに混んでいてもその時間内に料理を出さないといけない。
混んでいるときは、複数の同じ料理の注文を一緒に調理したりするなど、
あれこれ作る順番をパズルのように組み合わせてやりくりする必要がある。
ここが一番料理を作る時にエキサイティングで面白いことでもある。
5.調理器具の場所が同じじゃないとイライラする。
調理をしている時は、完璧なタイミングで完璧な作業をし、
タイムリーに料理を仕上げてお客様の元に届けたい。
そういう時、調理器具があるべきところに無いと、めちゃめちゃイライラする。
それを探す1分、1秒が惜しい。
なぜなら、そこにそれがある前提で、こっちは動いているからだ。
1秒ずれると、調味料を入れるタイミングがずれる。
焼き加減がずれる。
料理がまずくなる。
シェフが調理器具の場所が変わっていることに激怒している意味が始めわからなかったが、今ならわかる。
探せばいいって言う問題ではないのだ。
絶対に必要な時に、必要な場所にないといけないのだ。
料理の完成度に影響するから。
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