宿をやっているとリクルートのために働いている気がしてくる。
リクルートは日本国のネット上の集客を支配している。
もちろん集客は大変な仕事なので、
集客をしてくれる予約サイトがあるからこそ宿が営業できている部分はある。
しかし、予約サイトなど無かった過去の時代には払う必要のなかった手数料が発生し、
それがもう必要不可欠の経費になっている現代。
どこの宿も同じように同じサービスをじゃらんから受けており、
それを払わねば業界の舞台にすら立てないのが現状なので、
じゃらんに支払う手数料が差別化要素には全くならない。
ほぼ差別化されていない費用を半ば固定費として払い続けなければならないのは、
893のみかじめ料みたいなものである。
手数料
じゃらんが徴収するのは売上代金の11%。
これにポイント付与料1%が加算されるので、トータル12%。
これは最低レベルで、じゃらんサイト内で上位に表示されるといった効果不明のオプション料に手を出し始めたらもっと金額は上がる。
それ以外に販促サポートパックというものがあり、宿ページにフォトアルバムのような追加情報を設定するには数万円プラスされる。
ひっきりなしに募集がくる特別なプロモーションに参加すれば費用は更に宿持ち。
お客さんが部屋で諸々質問できるAIコンシェルジュのオプションは月1万円。
可愛い運営担当の言うことを全部聞いていれば、あっという間に利益率を圧迫する主要因になってしまい、宿はじゃらんの奴隷となる。
宿はお客様からもらうお金の実質15%近くを予約サイトに掲載してもらうために払い、10%を消費税として納めるので、残った75%から運営費と建築費の返済をやりくりせねばならない。
システム

じゃらんのシステムについてはあまり文句ない。
予約サイトの中では結構使いやすい。
予約サイトで必要なのは、部屋登録とプラン作成。
どちらも比較的使いやすい。
ホームページダイレクトという、無料で利用できる自社ホームページ向けのシステムもあある。
デザインはじゃらんっぽいダサい感じで、お客様からしたらじゃらんで予約した方がポイントをもらえるので、結局じゃらん経由で予約されてしまうことが多いのだが、それは致し方ない。
オンライン決済のみを選択可能なので現地で料金の授受を無くせるのは便利。
じゃらんの客層
じゃらんの主要顧客は、ホテルや旅館に泊まる人達。
年齢層も比較的高めの方が多い印象。
金銭的にも心にも余裕がある、いわゆる民度高めなユーザーが多い。
そう思うのは、口コミが温かいものが多いから。
宿は結構口コミをちゃんと見ていて一喜一憂している。
心ない口コミをされて数日悲しみに暮れることもある。
快適な旅を選好するお客さんが多いので、
貸別荘やゲストハウスのような施設を売り出すのにはあまり向かない。
そもそも宿泊業許可を取っていない民泊は登録することができない。
実際には貸別荘でもじゃらんで売ると結構予約が入る。
多分、簡易宿泊所として免許を取得している貸別荘自体が少ないので、
じゃらんに登録される施設数も必然的に少なくなり、
需要を取り込むことができるためと思われる。
登録
宿泊業許可がなければ登録できない。
しかし、それ以外の面で登録のハードルはあまり高くない。
宿へののサポートも手厚く、サービス体制がしっかりしている。
結果的にじゃらんは国内サービスの中で最も使いやすいので使ってしまうし、
じゃらんに参加しなければ始まらない、的なところがある。
コメント