最近、起業やベンチャー投資が日本でも大層盛り上がってきていて喜ばしいと思っている。
ベンチャー起業の資金調達プラットフォームとして、FUNDINNOというサービスが話題になっているので、どういった案件があるのか気になっていた。
僕が不動産業をやっているので、同業のスタートアップがいたら投資して応援してあげたいと思っていた。
で、最近新しい案件が追加された。
不動産賃貸も電子契約の時代へ!独自開発の電子押印システムとシンプルなUI/UXで契約手続きをオンラインで完結するDXツール「PICKFORM」
待ってました!不動産テック系の資金調達!
中身を確認して思った。
これ、、詐欺レベルの案件じゃん。。。。
いくらスタートアップへの投資が盛り上がっているからと言って、
こういう案件に手を出すのはまずい。。。
こんな案件で募集をかけてしまうイケイケのFUNDINNOは不安になった。
損する人、ゴロゴロ出てきて不満言われそ=。
それでもスタートアップというリスクの高い事業に投資しているのだから、
自己責任ということなんだろう。
スタートアップがリスクが高いことは分かりきっている。
でも、だかららこそ、そこには何か光るものが欲しい。
じゃなきゃ、この資本主義の競争社会で、金を稼ぐなんて無理。
資金調達を甘く考えすぎ。
調達した金を何倍にもして投資家に返せる可能性が1%でもあること。
そのビジョンがなきゃ、ただの詐欺。
そしてこの案件はかなりグレーだと僕は思う。
この案件に投資する人はマジで無知。
そういう人が非上場株に投資できる環境は危険である。
この案件が厳しい理由1 – 会社に実態が無い
PICKという会社のホームページは、FUNDINNOでの資金調達前に取ってつけたような実態のないもの。
PICKホームページ
実績もなければ何にもない。1日で作れるもの。当然、ブラウザで名前検索しても出てこない。
2021年度の不動産取引件数も少ないようで、調達前はほぼ仕事してない。
この案件が厳しい理由2 – 社長に気合が入っていない
FUNDINNOの募集ページでは、社長の紹介動画を見ることができる。
全く気合いが入っていない。本気で事業を興そうという人のそれではない。
多分、電子署名というテーマでお金引っ張ってこれたらラッキーくらいにしか考えていない。
学歴差別では無いけど、出身大学も頭悪そうで評価低い。
この案件が厳しい理由3 – テック企業ではないのにテック起業
資金調達前までに全くテック事業などやっていない。
今回募集に書いてあるサービスはほぼ全て外注によって開発されるに違いない。
余ったお金はセールスマンを雇うという。
社内にリソースのないIT実績がない企業が作るサービスが一発目からうまく行くはずがない。
テック起業をするのなら、そのチームには最低限技術者がいて、最悪外注できなくてもサービスをリリースできるくらいの技術力があるべき。それが無い時点でPICKに投資する意味がわからない。だったら、外注費を自分で払って開発した方が中間コストが掛からなくてずっとマシ。
FUNDINNOで調達すると、調達額の20%持っていかれる。
その間接コストだけで立ち上げ初期の会社にとっては厳しい。
今年は新しく何人か技術者を雇ってるみたいなので、その人たちが社内で開発をするということなのかもしれない。
ただ、CTOの経歴を調べても何も実績が出てこない。
テック起業で資金調達するなら、CTOがどれだけCapableなのかをアピールしてほしい。特にないのだろうけど。
この案件が厳しい理由4 – その他事業は切り離されるらしい
もともとPICKという会社は、個人の税金対策程度の実態の伴わない会社であると思われるが、その中で少なくない割合の収益を上げるその他事業は今後分離されるとのこと。
会社から何かしらが外に出ていく計画である。というのが気持ち悪い。
資金調達してしばらくしたら、金目のものがゴッソリ抜けてあとは閉店という未来が目に見えている。
この案件が厳しい理由5 – 直近の会計実績が胡散臭すぎ。
2021年の実績は売り上げ数億円で、利益が数百万円。
まあまあ、ちゃんとしてそうな会社に見える。
純資産も数千万円ある。
それが、資金調達の行われる2022年に凄まじいことになっている。
売り上げ半減。なぜ下がる必要ある?
赤字数千万円!!?
数千万円あった純資産はたった数百万円 !!!?
この年には2千万円のFUNDINNO資金調達を計画しているのに、半年で全部溶かす計画なの?
人件費が2021年のから2022年は倍に増えている。
これ、資金調達した金を給料として全部引き出そうとしてるようにしか見えない。
もちろんスタートアップなんで、人件費に投資して一気に拡大するっていう戦略である可能性もある。そうであってほしい。だとしても今までテック人材でなかった人が一気にテック人材を使って事業を軌道に乗せられるとは思えない。
出資者の金は半年ほどでさっと消えて、あとはほぼ100%役に立たなそうなアプリが残って、閉店という流れ。
この案件が厳しい理由6 – 会社のバリュエーション高すぎ
この会社は2021年時点で数百万円しか稼げていない。
もともと何のテックもない不動産仲介業なのだから、純粋に利益で会社の価値を評価すると数百万円x10年 せいぜい3千万円くらいであると考える。
これは多分過大評価なので、2千万円で売れるか微妙。
それが、ちょっとIT人材雇って外注してアプリ作りますっていうだけで、4億円のバリュエーションがつくだろうか?何のビジョンもなさそうだし、実際にプロトタイプも作っていない会社に?
FUNDINNOの投資家は1株180円で買わされる。
会社の実質価値が2千万円として、現在株の価値は20円といったところ。
9倍の値段で買わされる。
シンプルに高すぎ。
ちょっとでも光るものがあれば投資したかった。
でもこれは本当に厳しい。
多分、投資したお金は何にも生み出さずに、紹介ページでニコニコ笑ってる人たちの給料になって消えていく。
この案件がどのくらい資金調達できるか見もの。
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