借金は悪。
借金はしてはならない。
男に多額の借金があることを聞いたら、
大抵の女性は静かに去る。
借金とはそういうもの、ではない。
それを実感できたのは今の会社を経営してから。
僕らの会社には、いわゆる出資者はいない。
株式を使わないため、
現実的な資金調達手段は主に3つに絞られている。
1。自分で稼いだ金。
2。政府の補助金、助成金
3。借金
借りたくても、普通は金なんてそうそう借りれない。
金を返せる見込みのある者しか借金をする資格は与えられないから。
銀行はしっかり見ている。
借金ができること、
それはその人、会社の信用力の具現である。
借金が大きければ大きいほど、その人、会社はデカイ。
今は、できることなら、可能な限り借金をしたい。
冗談ではなく。
なぜなら、その金を増やせることを僕らは知っているから。
しかし、金を貯めるのには時間がいる。
少しずつ貯めて十年後に1億円を使えても意味がない。
1億円使えるなら今使いたい。
借金は時間を買う行為に他ならない。
本来、自分のキャッシュフローであれば相当先にしかできなかったことを、
今すぐできるようになる。
十年を買うことができる。
それが借金の力。
不動産投資を勧める人に反論する人がいる。
「そんなにいい案件なら、自分で買えばいいじゃん。
自分で買わないってことは、おかしいじゃん」
そうでは無いのだ。
いい案件が目の前にあっても、マジで金が無くて手が出せないことはある。
短期間で成長を目指す会社は、拡大に伴うキャッシュフローをやりくりせねばならない。
使える資金は有限なので、必ず儲かる案件があったとしても、それが多大な初期投資を伴い、長期的な投資になる場合、手を出したくても出せないのである。
個人と法人は時間軸も投資の目的も違う。
個人であれば年率10%で儲かる投資案件は最高の部類に入る。
しかし倍、倍で成長していきたいと思っている僕らは手堅い10%リターンの投資があったとしても、手持ちの金をぶち込むことはできない。
それよりも可能性が低くてチャレンジングだが、爆発的に成功するかもしれない取り組みにお金を投じることを選好する。
だから、まじで儲かる案件を紹介する僕らみたいな不動産会社は存在するのだ。
だって、どうせ手が出せない案件なら、自分のお客さんに取り組んでもらいたい。
それによってせめて実績を積み上げたい。
もし借金が無尽蔵にできるなら、もちろんそういう案件にも取り組みたい。
不満なのは、日本では借金をする際にほぼ必ず代表取締役が連帯保証人になることを求められることだ。
これでは投資と事業の分離ができていない。
法人が法人として自立していない。
連帯保証人を外してもらえるのは、株式が上場した時らしい。
必然的に、日本の中小企業の社長は、事業に全人生をBetさせられる。
それはそれで面白いことだけど、リスクの高い事業に挑戦することを躊躇わせるには十分。
資金調達の面から、2種類の全く性格の異なる企業が生まれることがわかる。
いわゆるスタートアップと言われる、株式をメインの資金調達とする、
イケイケのチャレンジングな会社。
または、
いわゆる一般的な中小企業みたいに、借金をメインの資金調達とする、
手堅く地道に、石橋を叩いてすすむ会社。
今のところ僕らの会社は爆発的な成長を捨てきれない後者であり、
矛盾しているのだけど、
宿泊業や不動産業のように不動産が柱となる事業の立ち位置としては後者の方が良いと思っている。
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