会社を辞める理由の第一は、
報酬とか、
仕事のキツさとか、
やりがいとかじゃなく、
人間関係の問題が一番っていう調査結果がある。
上司とウマが合わなくて辞める。
同僚との関係がこじれて辞める。
仕事も恋愛も、自分にとって負のオーラを出してくる人と付き合うのはしんどい。
長く晒されれば、影響を受けて、自分も不幸になってしまう。
僕は、香港に駐在したての頃、最初の上司がダメな人でしんどかった。
ただでさえ、海外での仕事を始めたばかりの頃は、
能力も追いついてないし、言葉も喋れないから成果が出せなくてキツい。
それに加えて、パワハラ、無能上司だと簡単に鬱病になる。
僕は赴任時すでに若干鬱気味だったけど、鬱がさらに深刻になった。
どうダメだったか、簡単に言えば、
キレられて、罵倒される、それも頻繁に。
無意味で成果に結びつかないことが明らかな仕事だけをさせられる。
いわゆる一発芸とか、女の子連れてこいとか、無茶振りされる。
といったこと。
一番最後は、商社マンの下っ端ならしょーがないけど、
私利私欲のために会社を利用しているだけで、
成果を全く出していない、
尊敬できないやつが上司で、そんな奴のために生きるのは辛かった。
山梨に帰ってきてからも始めの頃はしんどかった。
助けなきゃいけないホテルの経営状況はヤバすぎて、
普通に潰れかかっていたから、
新しいことをやり、経営改善して立て直す必要があった。
その新しい負荷に反発し、不満を抱えて常にイライラ、
ブチ切れる社員がいた。
その人の負荷を少しでも軽減するため、
それから、その人が抱えている重要な仕事を少しでも外出しするため、
僕は一番の下っ端としてホテルに入り込み、率先して、仕事を引き受けようとした。
でも、もちろん僕はホテルなんてド素人なので、手際が良くない。
その人は僕が下っ端だと思っているから、怒られる。
周りのみんなも限界まで働いていた。
僕も寝てる時間以外、毎日15時間近く限界まで働いて
それに加えて、その人の仕事を引き受けようとしたので、全く余裕がなかった。
それなのに、その人は感情を抑えることができず、
周りに、僕に不満をぶちまけてくる。
毎日、目が覚めると小言のLINEが送られてきて、気分が沈む。
出勤すれば、細々としたことでキレられるので、ビクビクする。
夜は酔い任せの暴言が飛んでくる。
加えて、理不尽な要求を突きつけてくるのに対し、
辛抱強く交渉せねばならない。
腫れ物に触るように扱わなければならないストレス。
状況を悪化させないよう、
我慢し、感情をコントロールするのが大変だった。
なんで、会社辞めてきて、わざわざこんなしんどい想いしなきゃならないん?
どうして僕が、こんなひどい職場で、無給で働いてると思ってんの?
アンタが無職になるのを救うためだよ!
喉から出かかった言葉を、何度も呑み込んだ。
そんな状況が1年近く続いた。
マジで、しんどかった。
幸い、その人の仕事の一部を僕が引き継いだことで、聖域がなくなった。
そして、僕はその仕事を周りのみんなに切り分けて渡した。
みんなで仕事を分担することができるようになった。
スタッフも増やして、少しずつ、各人の負担を和らげることができた。
経営は軌道に乗り、会社は救われた。
もし、最悪の状況があと1年続いてたら、僕はまた鬱病になっていたと思う。
職場はチーム。
みんなが気持ちよく働いて、最大の成果を出す必要がある。
その和を乱す人は、会社として、極力排除しなければならない。
ただ、そういう人に限って、会社のキーマンであることは多々ある。
重要な役割を担っているからこそ、わがままが出てくる。
こういう時、大きなジレンマに直面する。
その人を優先するのか。
周りの社員を優先するのか。
真剣に考えて、僕は答えを出した。
周りの社員を優先する。
周りの社員が働きやすい職場を作る。
キーマンは追放する、
これは、必ずしなきゃいけないわけではない。
うまく両立させる落とし所は見つけられると思う。
例えば、キーマンと周りが距離を置けるようにする。
キーマンに対しては、周りが不満を抱かない範囲で、
多少優遇し、仕事量を減らしたり、条件を良くする、
といったこと。
そういうことを意識的にやった。
空気を乱す人はチームに必要ない。
はっきり言えば、その人は本当の意味でチームの一員ではなくなった。
チームにとって、うまく使いこなすべきツールの一つとなった。
その人と、周りのスタッフの間には見えないフィルターがある。
そのようにして共存していけるなら、それでいいと思う。
組織が組織として健全に機能していくために、人間関係はとても重要。
こういうソフト面は、つい見落としがちだけど、
常に気を配って、問題を見つけたら放置せずに対処しなければならない。
誰も不幸になりたくて仕事をしているわけではない。
一人一人にとって仕事も含めた幸せになるべき人生があることを忘れちゃいけない。
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