山梨地域課題解決型起業支援金が終わったので振り返ってみる。

日々考えていること

事業期間が12月31日に終了した。

実績報告は終了日から10日以内に郵送で提出する必要がある。

200ページに及ぶ資料をまとめて提出して、

ひと息つけたので、この3ヶ月でやったことを振り返ってみたい。


そもそも支援が得られることが決まったのは8月12日。

事業期間の終了は12月31日なので、約3ヶ月半。

この3ヶ月半の期間、メンターによる伴走支援があり、

その期間内に支出された起業関連の費用の半額、

最大200万円が支給されるというのが本補助金の趣旨だった。

県が創業を支援してくれるという制度は前からあった。

例えば、県の補助金により、山梨県では株式会社を実質ほぼ無料で作れる。

そうした元からある制度に加えて、

事業資金の半分を出してくれる素晴らしい制度だった。

もちろん、審査員にピッチをして選考を突破する必要がある。

それなりにビジネスの素養がなければ説得力のある申請書を出すことは大変だけど、

決して難しいことではない。

大企業のサラリーマンが社内起業コンテストで勝つより、ずっとずっと、100倍楽。

ただ、この支援金が来年も継続されるかは未定だそうだ。

その理由は、県が求めている起業家と、実際に応募してくる起業家のギャップにあるという。

山梨県は、県発で、日本全国や、世界に羽ばたくような起業を支援することを期待している。

一方で、応募してくる事業は町の個人事業主に毛が生えたような、
ビジョンも、成長性もあまりない小ぶりのものばかり。

やっても意味ないじゃん、という考えがあるのだそう。

まあ、そりゃそうでしょ。

そもそも、200万円欲しいと思って応募してくる時点で、壮大なビジョンを感じない。

小規模事業者の創業支援という建て付けに近い。

これは県の勉強不足でしかなく、僕はそこに乗っかることができてラッキーだった。

起業にもいろんなタイプがある。

最も多いのは町の商店主だ。

個人や家族単位で、食い扶持を稼ぐために働く人たち。

こういう起業形態は、そこそこ稼いで生きていくことが目的なので、

リスクを取らず、事業はほとんど拡大しない。


一方で、上場を目指すような起業は、投資家から出資を募るし、
どんどん金を使って、身の丈以上の活動をし、リスクを取って、
短期間で成長することを志向する。

後者のような起業には200万円はとても心許ない。

伴走支援の期間も3ヶ月半では、かなり短い。

Youtubeには3ヶ月で1億円の事業を作る起業家のサバイバルドキュメンタリーがあったりするけど、

実際に3ヶ月でできることは非常に限られていて、

支援を受けた人たちはちゃんと事業を完了できたのか心配だ。

この支援金自体は、大成功が制度設計の時点から難しいものだったとは思う。

でも、僕は、そこに乗って、起業をすることができた。

この会社はしっかりと、何らかの形で県に恩返しできるようなものに創りあげていきたいと思う。

小さく起業したい起業家は、2023年もしまた応募するチャンスがあれば、
活用しない手はない。

僕がやった活動

僕が3ヶ月半でやったことは主に三つ

1。モデル民泊施設の開業
2。IoT機器の実証実験
3。営業活動


モデル民泊施設の開業

3ヶ月で仕上げるのはキツかった。

空き家を舐めてた。

今回は、資金も限られているため、

一括で発注することはせず、

それぞれの業者にバラバラで発注した。

空き家にはたいていゴミが沢山ある。

この、ゴミの廃棄に労力とお金が結構かかる。

水回りは工事に取り掛かってから全面交換が必要だと分かった。

配管を敷設し直すのに100万円以上、追加で費用が発生した。

もともと200万円くらいでリフォームできれば良いなと思っていたのだが、

結局、400万円以上かかった。

やっぱり、人が住んでいなくて、死んでいる空き家を復活させることには、

それなりのお金がかかることを覚悟しないといけない。

工事前
工事後 同じ場所

ここをIoT機器やデジタル機器をふんだんに使った施設にして、ショールームにする。
そして、そうしたIoT機器を活用したサブスクサービスを販売するのが目的。

IoT機器の実証実験

地域のいくつかの民泊施設で、モニタリングサービスを行う機会を獲得した。

騒音をモニタリングしたり、監視カメラで訪問者をチェックしたり、

そうした実証実験を通して、民泊オーナーのニーズを深掘りしたり、

自分達のサービスの作り込みをした。

これが株式会社スマナビの肝であり、試行錯誤をして面白かったところ。

短期間ではあるけど、
売っていけそうなビジネスの種を見つけることができたのは収穫。

今後、作り込んでいって、売上につなげていきたい。

営業活動

まず、自分と新しくできた株式会社スマナビのことを知ってもらわないと、何も始まらない。

Mt .FUJI イノベーションキャンプに参加したり、

そこでの縁で、山形県に遠征したり、ニュービジネス評議会に出席したり、

活動する中で新しい起業家仲間もできた。

地域で活躍している人たちと知り合うこともできた。

今はまだサービスの作り込みに集中しているから、

こうしたつながりを活用できていないのだけど、

今後、ローンチすることができたら積極的に展開していきたい。



結論として、燻っているなら、こういう支援金を活用することは大いに意味があると思う。
資金的な援助を受けられることも確かにメリットではあるけど、
それ以上に、閉じこもっていたら知り合えなかった、色んな人と知り合うきっかけになる。
自分のビジネスモデルが、拡大に耐え得るしっかりしたものであれば、
投資をしてくれる人だって見つかるかもしれない。

小さな行動の積み重ねが、自分を全然違うところに連れて行ってくれる、

と実感した。

そういった意味で、僕は3ヶ月半をフル活用できたといえるかもしれない。
あっという間に支援期間は終わってしまったけど、

2023年はこの種をしっかり育てていきたい。

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