独立したら全部自分でやらなきゃならないから大変とよく言うが、、

経営のこと

独立したり、起業したら大変だよ。

会社に所属していたらやってもらえる全ての雑務を、

自分でやらなきゃいけなくなる。

雑務を自分でやることはめちゃめちゃ大変。

だから、本気で仕事に専念したいなら、会社員のほうが良いんだよ。

そんなことを言う人が結構いた気がする。

僕は、独立したあと、たしかに雑務を自分でしなければならなくなった。

別に雑務が嫌いなわけではない。

そもそも、独立して自分で背負わなければならなくなる雑務とは、

一体何だったのか?

一人で起業した場合にやらなければならないことを振り返ってみる。

いわゆる仕事の本質と思われる、営業、商品開発、サービス提供は除いて考える。

1.会計

全ての取引を記録し、試算表を作成し、損益計算書や貸借対照表などの決算資料を作成しなければならない。

会計を知らない人にとっては、たしかにこれは地獄だと思う。

幸い僕は、ゴリゴリ会計をやっていて、USCPA – inactive も持ってるわけで、

企業活動を数字に落とし込み、分析し、管理することが全く苦ではなかったから、

この点は助かった。

ここは税理士に頼むこともできる。

2.財務

会計とごっちゃにされることもあるけど、

資金の出し入れを所管するのは、普通、財務部である。

独立したら、自分でお金の管理をしないといけない。

起業した時、一番大切なのは、自分のお金と、会社のお金をしっかり切り分けて管理することだと思う。これが結構、あいまいぐちゃぐちゃになってしまうことは多い。

そうすると、法人という格がふにゃふにゃになってしまう。

お金の管理だけではない。

資金調達も自分でしなければならない重要なテーマである。

投資家からお金を募るか、

銀行から借り入れるか、

友達に無心するか、

自分の金をぶっこむか、

必要な資金を何らかの方法でかき集めてこなければならない。

それが一番の仕事になったりもする。

でも、わりとこれに困ったこと無いんだよな−。

独立した今思うけど、会社にいた頃のほうが資金調達はきつかった。

当時はたった1千万円の予算を取ってきて、自分で自由に使うことすら、

めちゃめちゃ膨大な提案資料を作り、承認を得なければ、認められなかった。

しかも、せっかくとってきた1千万円も決められた期日中に使わないと、無かったことにされる。

使用した後の事後報告も煩雑。

地獄であったし、僕や僕の部下、仲間達の人件費はこういうことに使うべきじゃないんじゃないか。

そもそも、社内調整にかかる人件費だけで1千万円かかってるんじゃないか、

この無駄な人件費で1千万円浪費してるくらいならさっさとくれ、

と思ったもの。

最近では、お金の管理や資金調達も下請けしてくれるサービスが出てきてるらしい。

3.税務

決算報告をして、税金を収めるのも仕事。

税金はわざわざ納付しに行かなければならないこともある。

納付書を持って役場に行くのも仕事。

税理士に頼むこともできる。

4.法務

法律が問題になった時に、調べるのも自分。

訴えられた時に戦うのも自分。

訴えるのも自分。

法律問題に関しては、実務がわかってないと話にならないことも多いので、

結局、あまりに深刻な自体になった時は弁護士に頼むこともできる。

僕が思うに民事は割と自力で戦える。

5.人事

人を探すこと、雇うこと、それに付随する事務。

これは一番大変な仕事の一つかもしれない。

人を雇うことは、会社の本質なので、積極的に自分でやるべきである。

しかし、それに付随する、

税金、

社会保険、

その他諸々

の手続きは非常に煩雑で、手間がかかる。

ここは社労士に頼むこともできる。

独立する前は、社労士の存在意義など知る由も無かった。

今でも、その存在意義に懐疑的だが。

6.総務

働く場所、環境を用意し、整えること。ようは本社の設営と運営。

働く場所のネット環境とか、電話とか、コピー機の管理とかもここに含まれる。

これも全て自分でやらなければならない。

独立して働く場所を整えることは、それ自体が楽しい仕事かもしれない。

しかし、ほぼ付加価値を生み出さない仕事でもある。

僕自身はあまり興味ないので、結構おろそかになりがちな仕事でもある。

シェアオフィスとかを使えば、外注することもできる。

田舎だとあんまり外注できない。

7.IT

パソコンのトラブルシューティング、メール設定、ホームページ運営などIT関係の諸々。

僕はIT関係には強いほうなので、そこでの辛さはなかったけど、

全く疎い人には地獄になりうる分野かもしれない。

むしろ僕は、会社に所属していた頃のほうがストレスで仕方なかった。

会社が提供するITツールがことごとくイケてなくて、

仕事を邪魔したいのかと本気で疑うほどだった。

仕事をしている中で最も怒りを覚えたのが社内のIT部とのやりとりだったかもしれない。

ここは外注しようとすると高くつく。

8.広報

これは、それなりに規模が大きくならないと生まれない仕事かもしれない。

僕は今の所、そんなに広報に分類される仕事は無いので、なんとも言えない。

あと、監査部とかもあるけど上場しなきゃ関係ない。

日々発生する雑務の数々、僕は比較的楽しんでやってしまっている。

雑務に奪われている時間は確かにある。

一日に数時間は使っている。

費用対効果、効率を考えるなら、自分が取り組むべきではない仕事である。

でも、こうした仕事を定型化して、人に任せることが会社を経営し、大きくしていくことでもあるわけで、組織をつくっていくことの本質ではないかと思う。

会社にいた頃のほうが、思い通りにならない雑務担当部との調整で、もっと時間を失っていた。

今は自分でやらなきゃいけないからこそ、とても仕事が楽になった。

世の中便利になっている。

間接業務は昔ほど大変な仕事ではない。

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