会社の経営なんて、つまるところ「入って来るお金 引くことの 出ていくお金」でどれだけ金を残すか、という一言に尽きる。
入ってくるお金以上にお金を使って、手持ちのお金が全部無くなったら、会社は倒産。
入ってくるお金のほうが使うお金より多くて、余ったら良くできました。
でしかない。
式で書いたら
「収入ー支出=利益」
小学生でもできる簡単な算数。
ただ、簡単な式の中には複雑な企業活動のすべてが含まれる。
組織のしがらみ。
絡み合った仕事。
取引先との関係。
守らないきゃいけない社員。
激変する市場環境。
加えて時間という横軸が判断を鈍らせる。
「もう少し頑張れば状況は良くなるんじゃないか。」
「今、耐えればきっと乗り切れる。」
ある日、取り返しのつかない線を超えてしまう。
その境目を見極めるのは難しい。
「収入ー支出=利益」
には時間軸がある。
計算をするにはある一定期間を区切って集計する必要がある。
果たして、その期間をどう区切って計算するのが正しいだろうか?
一般的には月次、四半期、一年で計算していることが多い。
店舗レベルでは日次で管理していることも多い。
許される時間の幅は会社によって異なる。
日本の会社はPL主義と言われている。
損益計算書に基づいて経営をしている、ということ。
つまり「収入 ー 支出 = 利益」で経営を管理している。
でも、実はこれだけだと会社は潰れてしまうかもしれない。
利益がどれだけ大きくても、黒字で倒産するということが会社にはある。
収入のタイミングと支出のタイミングはバラバラ。
いつお金が入ってきて、いつお金が出ていくのか?
ちっぽけな会社でも、日々やり取りされる収入と支出の波の中で、自分の立ち位置を把握することは容易じゃない。
思い出すのが、カジノ。
カジノでは手持ちの現金があるうちはテーブルに座って遊べる。
ただ、一度でも無くなれば、そこで退場。
会社も同じ。
ある一瞬でも現金がマイナスになれば、そこで試合終了。
収入が入ってくるのが極端に遅くて、お金が入ってくる前に仕入れや借入金返済で支出が多く出ると、現金がマイナスになってしまう場合がある。
経営の本質は長期的には「収入 − 支出 =利益」。
だけど、短期的には別の指標が必要になる。
キャッシュフロー。or 現金残高。
ある瞬間の現金残高は通帳を見ればいい。
では、一週間後は?1ヶ月後は?一年後は?
この把握には多数の取引の入金出金スケジュールを管理する必要がある。
これができていない日本企業は多い。
「収入 − 支出 = 利益」はどこの会社でも会計ソフトが入って計算してくれる。
そのための会計スタッフもいる。
でも、キャッシュフローを管理するツールを持っていない会社は多い。
大企業でも多い。
会計上も、税務上もそんなもの求められないから。作らない。
たいてい会計ソフトをなんとかこねくり回して、キャッシュフローの理論値を計算している。
今回の新型コロナウイルスのように不測の事態が発生すると、
途端にこの弱さが露呈する。
あと何ヶ月、手元の現金がもつのか。
それを把握できない会社は、怯えるしかない。
そして、ある日突然死刑宣告を告げられる。
会社の本質なんて、誰でも知ってるたった一言、だったはず。
でも、それでは見えないところから、刺客は突然やってくる。
会社の生き死にと会社の経営は関係ない。
会社の生き死にを決めるのはたった一語。
現金残高。
で、怯えながら、日々、現金残高とにらめっこの僕です。
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