良い会社を辞めてもったいない

自分のこと

日本企業の中では結構高給な会社を辞めて、

地元に帰ってきて、

傍目にくすぶった生活をしていると、割とよく言われる。


「そんな良い会社を辞めて勿体無いねー!」



それを何十回と言われようと、

辞めて勿体なかったなー、

と思ったことは、ただの一度もない。


忘れっぽいから、過去のことはもう結構忘却して、

こっちでの生活がデフォルトになってる。

だからそもそも比較したりもしないのだけど、


勿体ないねー。

という時の判断の尺度は一つだけで、

お金。

でしかない。

そっちの会社に勤めてたら今の10倍お金を貰えてたのに、勿体ないねー。




でもねぇ。

マジで、個人的に、お金にもう興味ないんですわ。

正確には、金を貯めたり増やしたりすることに興味がない。

必要な分だけあればいい。

そうすると、今の自分にはほんとに僅かな金だけあれば良くて、

それ以上の金は、ただ口座の数字でしかない。

口座の数字に思い入れも何もないし、なんの役にも立たない。

そんな感じだから、勿体なかったなー、と思うことはない。


実際に、

お金の面で言えば、

確かに給料は比べるまでもないけど、

自分が動かせる金は全然大きかったりする。

前職当時、僕が動かせるお金は年間せいぜい1〜2千万円くらいだった。

しかも、それを動かすためには大変な労力を要した。

今ならもっと大きな金額を動かせる。

もちろん辞めてすぐはそんなことなかったけど、

3年近く経って、ちょっとずつレベルアップしてきていると感じる。

自分がやりたいと思ってやれる活動の範囲も大きさも、自由度も、スピードも

変わってきた。



だから、もし辞めずに残ってたら、逆に勿体なかったなーと思う。




前職の入社当時、サラリーマンとしてやりたいと思い描いていた理想は、

幸いに10年位で大体やり切ってしまった。

東京では都会生活を存分に楽しんだ。

世界を股にかける商社マン的な姿は、年間100本飛行機に乗って(乗らされて?)いつの間にか実現してた。

世界のどこか辺境の現場で、得体のしれない人種の仲間と、何かの問題解決をしてるっていう憧れのイメージは、エンジニアとして現場に張り付いて存分に味わった。

やりたかった海外駐在は飽きるほど長くいさせてもらって、永住権もらっちゃうほど。

自分のチームもゼロから作った。
そもそも、僕の存在自体が、会社にとってはバグみたいなもんだった。
自分で自分を勝手に定義づけ、業務時間外に今まで無かった仕事を勝手に作り、有志で仲間を募って、少しずつ周りに認知され、勝手に作った仕事が本業になった。正式に人が採用され、チームとなり、課となり、部ができた。

海外駐在して事業会社に出向中でも外国人相手に同じことをやった。
はじめは僕とアルバイト一人から勝手に作ったチームは、少しずつ地位を確立し、人数も増えて社内で無くてはならないエンジニア集団になり、最終的には色んな国の外部企業にサービスを提供するようになった。
今は残念ながら、完全崩壊し、リストラされて消滅しちゃった。
仕方ないね。
結局、その組織は僕と僕に共感してくださった上司、周りが作った組織で、
会社が作った組織ではなかったということ。
自分のやりたいことと、会社のやりたいことを完全に一致させられずに、
去ってしまったのは、僕の実力不足。
でも、当時の僕のチーム員たちはみんな倍以上の給料で転職できているから全然OK。

ただただ、やりたいことをやらせてもらって楽しいサラリーマン生活だった。
どの局面でも自由にやることを後押ししてくれた上司の方々がいた。
感謝しかない。

僕にとって、会社でやり残したことは、出世競争だけだった。

それを経験できなくて、勿体ないなー、とは思わない。

興味なさすぎるもん。

今でもどんどんやりたいことは増えてる。

それを、できるだけやりたい。

それをできないことが、僕にとって、一番勿体ない。


あー、もっと仲間が欲しいなあ。

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