ポイントは現代のキャッシュバック

日々考えていること

懇意にしている取引先があって、仕事を発注する見返りとして謝礼を個人的に受け取る。

普通、企業は謝礼を禁止しているが、取引先が渡してきた場合、黙って受け取ってしまう人は一定数いる。

そういう人は、旨味から逃れられず常習化していく。

謝礼は、全くもって企業活動と利益相反する。

まず、企業が得るべき金銭を収奪している。

企業として利益最大化となる自由な選択を制限されているという不利益もある。

もしほかの社員に知られた場合、企業のモラル低下にもつながる危険行為。

企業の利益に反した行動をする時点で、代理者である社員は誠実義務違反をしているので、懲戒されても仕方がない。

企業としての正義から見た場合、キャッシュバック(謝礼)は明らかな悪。

でも、日本に帰ってきて、それが形を変えて平然と行われていることに気づいた。

「ポイント」

香港にいた時は、ポイントなどというものを貯めることはあまりなかったし、貯めさせられることも少なかった。香港には謝礼がキャッシュで渡されているのか、そもそも清廉潔白で存在していないのか。

強いて思いつくとすれば、キャセイパシフィック航空のマイル。

せっせとマイルを貯めるインセンティブが働くおかげで、サラリーマンは同じ飛行機にばかり乗るようになる。

日本では、「ポイント」が至るところに蔓延っている。

これは謝礼以外のなにものでもない。

社員が何かを購入する時、ポイントまで管理できる会社はない。

だから、社員は自分のポイントを貯めるのに有利な意思決定をするようになる。

例えば、知っている中で一番気持ち悪いのがアパホテル。

出張御用達のホテルだからこそ、10%のポイントが宿泊者に渡される。

しかもそのポイントはキャッシュとしてホテルから受け取ることができる。

会社の出張費として出る宿泊代金の10%を自分の懐に入れることができる仕組みで、アパホテルは儲けている。

こういう商売の仕組みは、単純に気持ち悪い。

楽天も同じ。ポイント、ポイントうるさい。

人が最大のメリットをポイントで享受できるのは、企業という大きな購買力の代理人として動く時である。自分の金を全く使うこと無く、購入代金の3%、4%、5%が社員の懐に入る仕組みになっている。

このパーセンテージは決して小さくない。

企業側の立場からすれば、謝礼とか必要ないから、その分価格に還元してくれ。

といいたい。が、取り締まる術がない。

労働に対するボーナスみたいなものになってしまっている。・

購買などお金を使う活動は、人に頼めばせっせとやってくれる。

ポイントが付く場合に限ってだが。

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