会社辞める時に考えていたことと今

リーマン時代のこと

前職を辞めて3年くらいが経った。

当時、僕が何を考えて動いていたかというと、

会社を辞めて自分でやろう、ということだけだった。



会社員の生活はとても楽しく、充実していたけど、

思い通りに突き抜けられないもどかしさがあった。

やりたいことを、やりたいように、やりたいスピード感と予算ですることができなかった。

私生活にも、給料にも別に不満はなくて、

仕事での成果がダイレクトに自分の成果にならないこと。

この1点だけが受け入れられなかった。


金銭的な報酬としての見返りや、社内での評価を得る、とかはあんまり興味がなく、

自分の成果であると、世の中に自由に発信する権利を与えられないことが、

問題だったのだと思う。

会社の成果は会社に帰属するものであり、

その中の社員が成したものではない。

一般的に、大企業ではそういう風潮がある。

僕は、僕として生きて、仕事がしたかった。

ただそれだけ。

仕事が自分の価値観の中心である以上、

自分として仕事をすることが、会社よりも先に来る必要があった。



この感覚というか、スタンスは、これから主になっていくのではないか。

会社としても、そのような社員の振る舞い方をスタンダードなものとして受け入れていく必要があると思う。



個としての人が集まり、協力して活動する集合体としての会社。

会社という大きな存在の構成要素として個を抹消される人。

二つの状況の個は、その価値も生きがいも大きく異なる。

当然、個として生きるなら前者のような組織に所属したい。


僕は、辞めるために少し準備をした。

迷惑をかけずに、なるべくスムーズに辞めたい、と思っていた。

そのための体制を整え、事前に異動辞令が出るようアピールして、

僕がいなくていい状態にしようとした。

で、ある程度目処が立ち、後任も出してもらえそうになった、
退職希望日の4ヶ月ほど前に辞めることを伝えた。

もう受け入れ先が決まってたから遅くて困ると言われた、、。

特に海外駐在員の場合は、人事が決まるのが早い。

半年くらい前に言っとけば、会社としては円満だったんだろうか。

そんなこと、普通できる?笑

辞めると一度言ったら、もう自由に攻める仕事はさせてもらえなくなる。

予定よりも早く不本意に異動させられる可能性もある。

情報にもアクセスさせてもらえなくなる。

ほぼ死んだ状態で半年も在籍させられたら、

自分の方が耐えられなくて、結果早く去ってしまった可能性が高い。

できるだけ早く伝えたかったのだけど、4ヶ月前というタイミングが、

僕にとってはギリギリだった。



辞める意思を伝えたタイミングでは、コロナは無かった。

僕は、香港で起業しようと思っていた。

香港で、一から仕事を作っていこうと思っていた。

不動産業のDX化に興味があって、

そっちの方向で起業するアイデアをいくつか暖めていた。



退社日までの4ヶ月で世界中がコロナった。

当初の起業アイデアを具体化するどころではなくなっていた。

香港自体が、いても全く楽しくない場所になっていた。

それで、出ることに決めた。



ほぼ、計画、無の状態からスタートになっていた。


そんな感じで、新しい生活を始め、

周りの必要に応えていたら、がんじがらめになって身動き取れなくなった。

自分自身が何をやるか、何をやりたいか、意思を持って動き出す自由を再度得るのに、

結局、2年足踏みした。

自分の抱えた責任を果たす上で必要な、金銭面での目処を立てるのにそれだけの時間がかった。

自分が食っていくだけじゃなくて、会社に所属する人達、ある意味、自分にとっての家族を養えるだけの金を稼ぐのにそれだけ時間がかかったというか。

でも、今の自分と、会社を辞めたばかりの時の自分は違う。

だから、決して前進していなかった訳ではない。

会社を辞めたばかりの自分は、責任もゼロなら、収入もゼロだったので、そうは言ってもまず稼がなきゃいけなかった。

今の自分には、責任は増えたけど、一定の収入もある。

この土台があるので、思い通りに新しい事業を模索できるようになった。

やっと次のスタート地点に立てたかな、という感じがする。

今は、3年前にイメージしていた生き方に近い形で、

でも、より地に足がついて、力強く前に進んでいけるようになった。


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